不動産に関する相続トラブルは、仲のよい親族間に亀裂を生みかねない問題です。できる限り回避するよう対策をしておくことが重要です。
事前に話し合いをしておく
最も基本的なことですが、被相続人となる方の生前に相続人となる家族と話し合い、遺産分割に関して遺言書を残しておくことが重要です。
特に、自宅で家業を営んでいるという場合、家業を引き継ぐ相続人と、その他の相続人で引き継ぐ財産に差が生じやすくなるため注意が必要です。
昔のように「家を出たのだから相続する権利はない」という言い分は通りません。
円滑な代償相続に備えて一定の金銭を用意しておいたり、事前に代償金について合意形成をしておくといったことも必要かもしれません。
共有分割を避ける
不動産の共有状態は時間がたつごとに問題が顕在化しやすくなり、「メガ共有」といった社会問題や、「共有物分割請求訴訟」といった大きなトラブルに発展しかねません。
将来的なトラブルを回避するためにも、安易に共有分割にすることは避けたほうが賢明です。
相続時は実家に思い入れがあり共有分割にしたとしても、住む人がいない場合は、三回忌や七回忌など節目となる供養が終了した時点で、共有状態を解消することをおすすめします。
不動産の取得費に関する資料を確認しておく
換価分割を行った際は、確定申告で譲渡所得税の申告を行わなければなりません。その際に、相続財産の購入価格や諸費用、修繕費用が分かるような、取得費に関する資料が必要です。
書類の所在を被相続人から知らされていない場合、概算取得費は売却価格の5%と著しく安い価格に設定されてしまいます。
しかし、バブル崩壊以降は地方の土地価格は下落傾向にあるため、実際には譲渡所得が発生しないようなケースもあります。
親が自宅を購入した際の資料は必ず確認しておくことをおすすめします。
相続不動産の価値を調べておく
大切な方を亡くした大きな悲しみの中で、相続に関するトラブルが発生してしまうことはとても不幸なことです。できる限り事前に、トラブルを回避するために以下のような対策を講じておくことが大切です。
- ほかに相続人がいないか確認しておく
- 家族間で話し合いをしておく
- 自宅や所有している土地の売れる価格を知っておく
自宅や所有している土地がいくらくらいで売れるのかは、不動産会社に査定依頼をして無料で知ることができます。
また、相続不動産は複雑な手続きも多く、専門家でないと扱うことが難しいでしょう。
まずは専門家である不動産会社に、相続に関する対策について相談するのも方法の一つです。