農地の相続について

農地を宅地にするには?

農地を宅地にするには?

相続などで引きついだものの、自分では耕作をしていない畑や田んぼなどの農地に「家を建てたい!」とお考えの方は多くいらっしゃいます。
そのような場合には、農地転用の手続きが必須となります。

今回の記事では農地に宅地造成するための手続きについて解説します。

 

農地に宅地造成するには農地転用の手続きが必要です

農地転用とは宅地や駐車場、資材置き場等、使用目的を農地から農地以外に変更することをいいますが、農地法により、農地を農地以外のものに利用することが制限されています。よって、農地を宅地造成する場合は、都道府県知事から農地転用許可を受けなければなりません。

農地を宅地造成する場合の申請は、その建築主やその農地の所在地より、方法が異なります。

 

農地を宅地造成する場合のポイント

農地を宅地に造成するために農地転用許可する場合のポイントは以下の通りです。

他の農地や宅地を利用することができない客観的理由があること

農地でなければならない客観的理由が必要となります。
どうしてその農地でならないのか?他の土地では実現できないのかなどを客観的に示す必要があります。
なお、土地取得費用の軽減は理由にはなりません。

面積が適切であること

宅地造成のために転用する場合、その面積がまずポイントとなります。
農地が必要以上に転用されることを防ぐため、建てる住宅に対して面積が制限されます。
具体的には建ぺい率が22%以上であることが必要とされています。
建ぺい率とは、土地の面積に対する建物の広さの割合をいいます。
具体的には、建物の建築面積を敷地面積で割ることで算出することが可能です。建築面積とは、外壁や柱の中心線でれた部分の面積となります。
建ぺい率22%以上ということは建築面積÷22%で算出した数値以下の面積以下に抑える必要があります。
例えば建築面積が80㎡の建ものを建てようとする場合、80㎡÷22%=363.3636・・・㎡となりますので、転用する農地の面積を363㎡以下にする必要があります。
仮に対象農地が500㎡あった場合、363㎡以下に分筆してから農地転用申請をしなければなりません。

また、最大面積についても制限があります。
・一般住宅・・・概ね500㎡まで
・農家住宅・・・概ね1,000㎡まで

資金があること

土地を整備し、家を建てるには資金が必要となります。
農地転用許可では、事業を行えるだけの資力があることを条件の一つにされています。
資力があることが客観的に証明されなければなりません。
具体的には残高証明書、融資証明書などを用意し証明することになります。

宅地へ地目変更

地目変更とは、土地の種類を変更する登記を指します。田んぼを書類上でも宅地にするためには地目変更が必要で、実体が宅地に変わってからの1か月以内に変更手続きを行う必要があります。田んぼであった土地に家を建てる場合は、宅地造成の工事が完了した時点から1か月以内での変更が必要です。

農地転用はあくまで転用の許可を得る為だけの手続きであるため、現況が宅地に変わった段階で改めて地目変更を行わなければなりません。地目変更を行わなかった場合は10万円以下の過料支払いを求められる事があり、また住宅ローンも組めない場合もある為、忘れずに行うようにしましょう。