2021年(令和3年)に不動産登記法が改正されました。この改正により、住所変更登記が義務化されます。
新しいルールの適用開始時期(施行時期)は、公布(2021年4月28日)から5年以内とされているため、2026年(令和8年)4月頃に施行されます。
この記事では住所変更登記の義務化のポイントを解説いたします。
住所変更登記の義務化の内容
不動産登記法で下記条文が変更になり住所変更登記が義務化されるようになりました。
所有権の登記名義人の氏名等の変更の登記の申請
第七十六条の五 所有権の登記名義人の氏名若しくは名称又は住所について変更があったときは、当該所有権の登記名義人は、その変更があった日から二年以内に、氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記を申請しなければならない。
過料
第百六十四条 (中略)
2 第七十六条の五の規定による申請をすべき義務がある者が正当な理由がないのにその申請を怠ったときは、五万円以下の過料に処する。
2 第七十六条の五の規定による申請をすべき義務がある者が正当な理由がないのにその申請を怠ったときは、五万円以下の過料に処する。
改正法では、所有権の登記名義人に対し、住所等の変更日から2年以内に、その変更登記の申請をすることを義務付けることとされました。
そして、「正当な理由」がないのに申請を怠った場合には、5万円以下の過料に処することとされました。
なお、この「正当な理由」については、通達等で明確化することが予定されており、過料を科す具体的な手続についても省令等に明確に規定する予定です。
なお、上記の新しいルールは、改正法の施行日前に行われた住所変更にも適用されることになっています。
一般的に法律の改正は施行後に生じた出来事に適用されるのですが、今回の新ルールは施行前の出来事(住所変更)にも適用されます。この点はかなり特殊ですので要注意です。
もっとも、申請義務の履行期間については、施行前からスタートしないように配慮するために、施行日前の住所変更には、最低限、施行日から2年間という猶予期間が与えられます。