土地の管理責任について

日本の空き家問題について②

日本の空き家問題について②

空き家が生じる原因

空き家が生じる原因は実にさまざまです。主に次のような要因で空き家が生まれるといわれており、それぞれに対策が求められています。

少子高齢化

空き家は住む人がいなくなった家なので、人口が減れば必然的に増加します。さらに日本は高齢化率が高く、総人口に占める65歳以上の高齢者の割合は28.7%。年齢が上がると、入院したり施設に入居したりして持ち家に住まない人が増えてくることもあり、少子高齢化が進むと空き家の増加に繋がります。

相続問題の発生

親元を離れて別に世帯を構えている人は、親が住んでいた住宅を相続してもなかなか引っ越してまでそこに住みません。しかも子供のころの思い出があったり、親の思い出があったりすると解体したり売ることに抵抗があり、そのまま目的なく空き家のまま放置してしまいがちです。

相続から時間が経つと被相続人がどんどんと増えていき、解体や売却の難易度がより上がるので、早めの対処が必要です。

固定資産税対策のため

固定資産税には、宅地に対する優遇措置があります。建物を解体して更地にするとその優遇措置の対象外となり、毎年の固定資産税や都市計画税が上がってしまうため、税負担を少なくしようと空き家のまま放置する人も少なくありません。

特に住宅1戸あたり200平米までの敷地は「小規模住宅用地の減税の特例」の対象となり、固定資産税の課税標準は6分の1に、都市計画税の課税標準は3分の1に軽減されます。200平米を超える部分も一般住宅用地として、固定資産税の課税標準は3分の1に、都市計画税の課税標準は3分の2にそれぞれ軽減されます。

解体費用などの捻出ができない

空き家を所有していて使用する目的がなく、取り壊したいものの、解体費用がなかなか捻出できないというケースもあります。

例えば1戸建て住宅を解体する場合、木造でも一般的に1坪あたり3~5万円程度の解体費用がかかります。つまり標準的な35坪程度の木造住宅でも、解体には通常100万円以上かかるということです。地域や建物の構造、周辺環境(道幅が狭く解体重機が入れないなど)によっては、200万円、300万円かかるケースも珍しくありません。

空き家の増加対策として、解体費用を補助する独自制度を設けている自治体もあるのでチェックしてみてください。

世帯数の増加以上に新築住宅数の増加

日本では新築住宅が好まれる傾向が高く、「新築信仰」などという言葉もあるほどです。新築住宅を建てたり・購入する人が多く、余ってしまった中古住宅が空き家となって増えているという現状があります。

中古住宅では劣化の状態がわからず、どの程度の修繕が必要になるかわからないとの不安から、新築住宅購入に踏み切る人も少なくありません。政府ではその対策として、新築住宅だけでなく中古住宅の性能も公的に証明できる「住宅性能表示制度」を導入。良質な住宅ストック形成を目指しています。

 

まとめ

上記の理由により、日本全国で空き家は増加傾向になっているのが現状です。
このまま空き家の状況をそのままにしてしまうと、どのようなリスクが発生するのでしょうか。
下記の記事「日本の空き家問題について③」では、空き家が抱えるリスク国がどのような対策を講じているのかについて解説していきますのでぜひご覧ください。