土地の管理責任について

日本の空き家問題について③

日本の空き家問題について③

空き家が抱えるリスク

空き家を放置すると、次のようなリスクが生じるといわれています。

周辺地域への悪影響

自分の家の隣に荒れ果てた空き家があって、気持ちがいいという人はいないはずです。荒れた建物は朽ちて建材などが落ちてくる可能性がありますし、景観も損ないます。害虫や害獣の住みかとなり、衛生面での悪影響を与えるケースも少なくありません。

犯罪の温床となる

「空き家なら誰にも叱られない」という理由でゴミを放置する人がいたり、犯罪者や柄の悪い人間がたまり場として利用したりするケースもあります。過去には空き家の中で、勝手に大麻草が栽培されていたという事例もありました。放火のリスクにもつながります。また、勝手に入った場合、不法侵入(住宅侵入罪)にあたり、懲役3年以下または10万円以下の罰金に処されることがあります。

住宅の価値が下がる

空き家のままにしていると、建物の傷みはどんどん進みます。早い段階で売りに出していれば買い手がついたはずの建物が、解体という選択肢しか選べなくなるのはもったいないですね。

災害時に倒壊の恐れ

メンテナンスされていない建物は構造も徐々に傷んでいくので、地震に弱くなります。それまで大丈夫だったとしても、次の地震で倒壊してしまうかもしれません。周囲に人がいて、ケガをさせてしまえば賠償責任も生じます。

機会損失

空き家は重要な資産の一つです。少し整えれば飲食や小売りなどの商売に利用したり、住んだり、人に貸したりすることで収益が得られるかもしれません。しかし放置していれば劣化が進み、固定資産税や都市計画税などの維持費だけがかさんでいきます。

 

政府による空き家問題対策

増加する空き家への対策として、政府は行政が一定の措置をとることを可能とする通称「空き家対策特別措置法(正式には空家等対策の推進に関する特別措置法)」を制定。2015年2月26日に施行されました。

国土交通省の空家等対策特別措置法とは

空き家対策特別措置法は、平成26年に「空家等対策の推進に関する特別措置法」として自治体が管理不足と思われる空き家を調査し、問題がある場合は「特定空家等」として指定するための制度です。さらに所有者に管理に関する助言や指導をしたり、改善の勧告や命令を出したり、それでも改善が難しい場合は行政代執行によって解体したりもできるようになりました。

これまでは、周囲に悪影響空き家を行政が解体するなどの措置を取ろうと思っても、所有者の同意が得られなければ手出しできなかったためです。特定空き家の指定を受ければ、固定資産税や都市計画税の宅地に対する特例も受けられなくなる恐れがあります。

「平成30年住宅・土地統計調査」によると、この法律の施行以後も空き家の増加傾向は継続しています。2018年の空き家率は全国で13.6%。空き家数は800万戸を超えています。その一方で「腐朽・破損がある空き家」は、戸建て住宅でも共同住宅でもそれまでの増加傾向から、減少に転じました。

 

特定空家とは

空き家対策特別措置法では、空き家の中でも周囲に被害を及ぼす恐れがあり、放置しておくことが不適切な状態のものを「特定空き家」と定義しています。主に次のようなものが特定空き家にあたります。

  • 倒壊など著しく保安上危険となる恐れがある
  • 著しく衛生上有害となる恐れがある
  • 適切な管理がされていないことによって著しく景観を損なっている
  • その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である
  • 自治体・民間による空き家問題対策

国以外でも各自治体で空き家問題対策に力を入れており、中では、「解体費用の補助金」や「空き家バンク」に空き家の物件情報を提供して移住者に低価格で賃貸として利用するや低価格で販売など、行っていますが、それでも全国の空き家問題はなかなか解決するには時間がかかってい流のが現状です。
下記の記事「日本の空き家問題について④」では、空き家の活用方法についてご紹介いたしますのでぜひご覧ください。