相続した農地の活用方法
相続した土地の中に農地がある際、もともと農業をされていた場合は、農地を受け継いで農業を継続していくことができますが、農地を相続をするまでに農業をしていなかった場合、相続する農地の活用をどのようにすればいいかとお悩みになる方も多くいらっしゃいます。
この記事では、相続した農地をどのように活用していけるのかをいくつかご紹介いたします。
1.貸す
第三者に農地を貸して代わりに農地を活用していただく方法です。
農地を放置してしまうと、農業委員会から所有者宛に通知が来る場合があります。第三者の方にに貸して耕してもらえることができれば、農地の管理をしていただきながら農地の活用もできるため、活用方法の中では一番現実的な活用方法と言えます。
ただし、農地を第三者に課す場合も、名義変更と同様に農業委員会の許可等の手続きが必要になります。
2.体験農園(農園利用方式)
観光農園でよくある「りんご狩り・いちご狩り・ぶどう狩りなど」利用者に農業を体験してもらう方法です。
この方法は農地を第三者に貸すのではなく、「利用者に作物を作ってもらえる、又は収穫してもらう」ことになるので農地として活用できますが、農地の所有者は利用者を指導する立場であり、体験農園は前述でも記載していますように、「りんご狩り・いちご狩り・ぶどう狩りなど」で収穫を体験してもらうことが大半で、収穫前の作業は体験農園の経営側がしていかなければならないため、農業未経験での活用法としてはハードルが高いかと思われます。
手続きに関しては、相続してそのまま活用していく場合は農業委員会の許可などは不要ですが、敷地内に施設を建てるなどをする場合は許可が必要になります。
3.市民農園(特定農地貸付法による方法)
体験農園と同じような制度として、市民農園があります。都市部などに住む農業経験の浅い方に対して農地を利用してもらう制度ですが、こちらは農地を区割りして利用者に貸し出す制度です。この方法は相続した方に農業経験がない場合でも実現できる活用方法ですが、市町村との協定締結や農業委員会の許可等の手続きが必要となります。
4.転用する
農地として維持していくのが難しい、駐車場や他の目的で使用したい場合に考え得る選択肢です。非農地に変えることで選択肢は増大しますが、農業委員会の許可などが必要です。また、土地の状況によっては転用が難しい場合もあります。
5.売却
所有しているだけでは固定資産税などの税金もかかるので、他の人に売却して活用してもらう方法です。この場合、農地として売却するのか、農地以外の土地に形状を変更して売却するのかで許可手続きの内容が変わります。